ミニマリスト、ハーブ、人狼

ミニマリスト

私の姉はミニマリストなんです。本当に部屋になにもない。田舎の家はそこそこ大きくて、姉と私は別の部屋を持っていました。クラスのほかの子は子ども部屋がなかったり、兄弟姉妹と一緒だったりしたけれど、私の家は古い家で大きかったから。

反対に私はモノを捨てられない。いわゆる汚部屋というわけではないけど、散らかっている部屋。

ミニマリストになるのは普通、大体何歳くらいなんでしょうか。姉の場合は15から16だったと記憶しています。普通のミニマリストの人は大人になってからと思っていたのだけれど、そう考えると私の姉は早熟なミニマリストということになるんでしょうか。

姉が東京の大学に入って家を出ました。夏休みに泊りに行きました。行きのバスのなかでしまったと思いましたね。もし姉の家に寝袋しかなかったらどうするんだと思いました。

でも家につくと意外なものが目についた。出し忘れたプラごみの袋。廊下の先のリビングにはソファがあって、たたんでいない洗濯物が放ってある。家で読んでいるのを見たことがない漫画もベッドの脇に置いてある。

ミニマリストじゃなかったっけと聞くと、そんなことはないと言われました。じゃあなんで実家の部屋になんもないのと聞きました。モノを貸してくれる人がいないからだって。なんだそれだけのことか。

ハーブ

おお、コーヒー豆を見るなんて何年ぶりだろう。

カフェインの摂取が政府から禁じられてしばらくたつ。

コーヒーなどへ含まれるカフェインは興奮作用と同時に副作用も存在する。習慣性もあり、禁断症状として頭痛や腹痛、集中力の欠如などなど。

それはどうでもいい。

コーヒー豆を掴みとってにおいをかぐ。

いや、これは今日はやめておこう。焙煎してから熟成させることでうま味が増すのだ。せっかく密輸したコーヒー豆だから丁寧に味わいたい。

そういって今日は合法ハーブティーを飲むことにした。

こっちは幻覚作用があるだけで合法である。普通のハーブティーは肝機能に障害がでるので違法だ。

人狼

今日もまた人が死んだ。

朝、デッキの集会にトミダが来ないと思っていると、自室のベッドで死んでいた。

上半身が丸ごと消えていた。残された体の半分うを見て我々は集会を始める。この宇宙船に殺人犯がいるということだ。

私はこの宇宙船イシムラの船長であり、クルーの命に責任を負っている。

「みんななんでもいいから、知っていることを正直に話してほしい」

修理担当のカナザワが「なんにも知りませんよ」

操縦のサエキが怯えて「今週に入って3人も死んでます。このままじゃ全滅です」

医師のキシモト「ちょっとまってください。この状況って人狼っぽくないですか」

食料係のヤマザキは不満そうに言う「そんなバカな。普通にエイリアンが船に入り込んだんです」

そういうなら証拠を見せてもらおうじゃないか。この事件は人狼に決まっている。

監視カメラを見るとトミダが毛むくじゃらの獣に食べられている。

やっぱりこの事件は人狼なんだ。監視カメラの映像をみていると

サエキは「もういやだ。うちに帰りたい」

そういって宇宙服を着こんで、脱出ポッドへ乗り込んだ。

「まてっ、そこから出ても何処へもいけないぞ」

直近の惑星は木星で、脱出ポッドで出たところで、じわじわと消耗して死んでいくだけだ。

「狼はイヌ科だ。犬はチョコレートを食べたら死ぬ。そして今日は2月14日。」

ヤマザキ「今日のメニューにはチョコレートが出る予定ですね」

私は火炎放射器を持ち出していう。

「全員椅子へ座ってくれ」

椅子へみんなを縛り付けた。

まずはカンザワだ。「ほれ食えっ」

「はあ、食べますが。。。」

次はサエキ「ぱくっ」

キシモトも食べた。次はヤマザキだけだ。

「ちょっと待ってください。こんなことしても無駄です。僕はたべませんよ!」」

お前が犯人か。残念だがこれで終わりだ。

火炎放射器の引き金を引く。ヤマザキhhあ数千度の炎へ包まれ、叫び声をあげる。その声は獣のようであった。

これで人狼はいなくなった。その夜は、みんな安心して眠ることができた。

次の日、カナザワが死体となって見つかった。人狼は殺したんjないのか。

キシモトが責めるようにこちらへ言った「これはヤマザキのカルテだ。あいつはカカオアレルギーがあったんだ。だからチョコを食べるのを拒否しただけだ」

ん?ということは私は犯人ではなく、怪しいのは2人だけ。

そして私は無実の人間を殺している。

キシモトとサエキを焼いてこの事件は解決した。

やっぱりイヌ科でも人間サイズのだと、チョコレートを少し食べたくらいだと大丈夫だったかな。


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