リレー小説(ひとり勝ち弁護士、縫い合わせ可能なゲーマー、甘みを引き出す連絡帳)

リレー小説をしました。

「じゃれ本」というカジュアルなリレー小説のフォーマットを知ったので3人でやってみました。
3人で2周してできた小説を載せています。
https://jarebon.com/

タイトルはPhrase Plus!というアプリで自動生成された単語の組み合わせです。

ひとり勝ち弁護士

なかかみ
「異議あり!」
法廷に弁護士の声がこだまする。
判決を待つだけと思っていた被告人は目を見開いて仰天していた。
殺人容疑の被告人田中一郎は、これから何が起こるのかという顔をしている。

さしま
「これから、容疑者、裁判官3名、検察官、陪審員、そして傍聴席のみなさんで殺し合いをしてもらいます。そこのお前!!だまって聞いてろ!」

弁護士の投げたナイフが、傍聴席の記者の額へ突き刺さる。

utatsu
記者は絶命した。
次にアクションを起こしたのは初老の裁判官だった。彼は膝を地面につくと、みっともなく喚く。
「出してくれ!ここから出してくれよ!」

なかかみ
裁判官の周りを見ると、鳥かごのようなものに周囲を囲まれている。
そう、弁護士の固有スキル「法の番人」の効果だ。
幻術か、中世ヨーロッパの処刑人が裁判官を周りで串刺しにしようとしている。

さしま
処刑人は死刑囚を首切り台へひざつかせる。
最後に言い残すことは?

囚人は怯えて声も出ない。
まえの執行時の血のりがこびりついている
弁護士は憐れみをもって彼を見つめる
「こういうのははじめてなのかい?」

utatsu
囚人は声を出さず、ただそこに立つ民衆へと目線を向けた。
そして静かに地面に頭をこすりつけ、しばらく動かなかった。
その一瞬で事切れていたのだ。


縫い合わせ可能なゲーマー 

さしま
格闘ゲーマーを縫い合わせたことで、最強のプレイヤーを作ることに成功した。
3人のプロゲーマーが縫合されている。ごはんも3人分食べる。

utatsu
ヒトとしての生き方を代償に編み出された「化け物」は、その数を次第に増やしていく。

なかかみ
それらに対抗するために立ち上がったのがマナー講師たちだ。
全国マナー講師組合は、その「化け物」たちへ果敢に立ち向かう。

さしま
マナー講師の仕事のいいところは、創造的になれることだ。
だれしも自分の人生の主人公になれるわけではない。
怪物に立ち向かうことはできるが、失礼を作り出すことはなかなかできることでhじゃない。
マナー講師組合で人生の意味を見つけ出す。

utatsu
今朝のマナー講師組合の朝礼は憂鬱だった。

なかかみ
朝から信号に引っかかるし、もう悪いことだらけ。
なにか面白いことでも起こらないかな、と不謹慎なことを、マナーという規則に縛られたものを生業にしている私が考えた罰が当たったのだろう。


甘みを引き出す連絡帳

utatsu
水曜日は雨だった。
だから連絡帳に書くことはなんにもない。
どうしようか。

なかかみ
捏造しよう。私には友達がいないけど、友達がいたことにして、雨も私の周りでは降ってなかったことにしよう。
今から晴れるし、昨日も晴れていた。
そうでしょ?先生。

さしま
この連絡帳甘い!!

そういって先生は連絡帳を食べ始めた。

utatsu
可食紙、と呼ばれるものがある。
かつて大戦中に我が国のメーカーが開発した素材からできており、当時の国民の飢えを和らげた。
先生はこれを知って、連絡帳を口に入れたのだ。

なかかみ
「うっ…」
先生は苦しそうな声をあげた。
毒だ。吐き出さなければ。
そう考えているだろう先生の口をペットボトルでふさいで、水を流し込む。

さしま
ごくごく、この水も甘いぞ!
水のおいしさをに、毒を忘れてしまったらしい。

1リットルのペットボトルを飲むと、毒も水で薄まりけろりとしている。
ね、この紙はおいしいでしょう

でもこの水もあまいけどなあ


comments powered by Disqus